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旧水口図書館
by m-kyutosyokan
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日本のアンデルセン 巖谷 小 波

日本のアンデルセン 巖谷 小 波
日本のアンデルセン 巖谷  小 波_e0297137_6585493.jpg



「あたまを くもの うえにだし・・」ではじまる唱歌「富士の山」は
皆さんご存じですね。でもその作詞が近代日本児童文学の創始者とたた
えられる 巖谷小波(いわや・さざなみ  明治3年~昭和8年)の作詞で
あること、そして小波が水口ゆかりの人物であることは、おそらくご存
じないことと思います。
 
宮沢賢治や新美南吉、小川未明は知っていても、近代の子ども文化に、
大きくまた幅広い足跡を残した小波のことを知っている人は今では多く
ありません。

私たちの会の名前「稚木の会」は、旧水口図書館がある水口小学校の校
歌からとったものですが、実はこの校歌も小波の作詞になるものです。


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   ■小波紹介
    
巖谷小波は本名を季雄(すえお)といい、明治3年巖谷修の
三男として東京で生まれました。巖谷家は代々藩主加藤氏に
医者として使える藩士で、父巖谷修も藩医となりましたが、
能吏であったこと、また母を介して宮中ともつながりが
あったことから、明治維新の時に新政府の官僚になりました。
父はまた「一六(いちろく)」の号で書家としてもの知られ、
「明治三筆」の一人、近代日本書道の開拓者として、
書の世界ではよく知られています。

そんなわけで父や兄は巖谷家の家業である医学を
彼に修めさせようとしましたが、ながく宮中に仕えていた
祖母の影響もあり、読み物や芝居が大好きで、
やがて文学の道を志すようになりました。当然父や兄は
猛反発。後に昭和天皇の学問を担当する近江膳所出身の
杉浦重剛の仲介で、なんとか文学にいそしむことを許されました。
明治の文学者にはよくある話ですが、小波は高級官僚の
おぼっちゃんだったところが特徴といえるかもしれません
(下の写真からもおわかりになるでしよう)。
日本のアンデルセン 巖谷  小 波_e0297137_6591510.jpg

     尾崎紅葉と小波(右)


18歳のとき小波は尾崎紅葉らとともに有名な「硯友社」の
創設に参加、その同人として人情小説を発表しますが、
明治24年(1891)発表した『こがね丸』(犬を主人公とした
仇討ち物語・手塚治虫のかかわったアニメ映画
「わんわん忠臣蔵」はこれが原案になっているようです)
が大ヒット。これ以降当時はまだなかった子ども読み物の
ジャンル「おとぎ噺」に専念。明治時代を代表する児童文学者となりました。

   ■小波のしごと

子ども文化の歴史を語るとき、多くの分野でその
トップバッターとして小波の名前があがってきます。
小波は恵まれた境遇からくるおおらかさ、内外の文化
に対する深い教養、なみはずれた好奇心を持ち、
まさにマルチな活躍をしました。
    
○作家として・・・膨大な「おとぎ噺」の創作のほか、多くの昔話や
伝説を子ども読み物として再話し定着させました
(私たちの知っている桃太郎も浦島太郎も実は小波の再話が
ベースになっています。これはフジテレビの「トリビアの泉」
などでも何度も紹介されています)。またアジアやヨーロッパの
昔話を膨大な「世界お伽話」シリーズで紹介、当時の子どもたちに
異文化への関心を広げました。小波の原稿料は鴎外な
文豪たちと肩を並べていたんですよ。

○編集者として・・小波が主筆となった「少年世界」をはじめ、
多くの子ども向け雑誌を手がけ、子ども向け文芸を発展させました

○口演童話家として・・早くからお伽噺の口演(こうえん)に
関心を持ち、全国各地の子どもたちにお話を届けました。

○国語問題に対する提案・・小波はドイツ語が堪能で、
明治33年から2年間ベルリンに派遣されベルリン大学
(現フンボルト大学)の東洋語学校で、日本語を教えた経験から、
文部省の委員となると「わ仮名」「発音式仮名遣い」と呼ばれる、
仮名遣いを提唱、自分の作品もそれに従いました。わ仮名とは
「○○わ歩きました」というように「は」ではなく、発音通り
「わ」と書くものです。みなさんも子どもの時よく間違ったでしょ。

日本のアンデルセン 巖谷  小 波_e0297137_70788.jpg
            
お伽口演の小波 子どもたちが乗り出しています              
日本のアンデルセン 巖谷  小 波_e0297137_702743.jpg
 
妻勇子は水口出身です

■水口と小波
    
小波は東京生まれですが、水口は巖谷家の故郷であり、
妻勇子も水口から迎えるなど、水口には特別の愛着を終生持ち
続けていました。とくに明治43年、郷里を代表する学校である
水口小学校の校歌を作詞したことは、水口人にとっては最大の
プレゼントとなりました。以来100年以上、親子4代にわたって歌い継がれています。

一 城山高くあらずとも 今の稚木の生い立たば 
   やがて雲をも凌ぐべき 茂山となる日こそこめ

二 野洲川深くあらねども 清き流れに澱みなし 
   岸に芥もよせあへず 濁りはせじなとこしえに

三 稚木の勢(きおい)たのもしき 此所を学の庭として 
   清流に我が心 うつして断えず研かなむ

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   ■小波を知る資料館と本あります


巖谷一六・小波記念室
 
甲賀市水口歴史民俗資料館(電話0748-62-7141)
に設置された記念室で小波と父一六の仕事を知ることができます  

この資料館は「巖谷一六・小波記念室」の運営とこれを拠点とした
とくに小波の業績を紹介してきた活動が評価され
2003年、第26回「巖谷小波文芸賞 特別賞」
(主催・財団法人日本青少年文化センター)を受賞しています。

「巖谷小波文芸賞」については 
上記センターURL→ http://www.seibun.or.jp/prize/prize.html
日本のアンデルセン 巖谷  小 波_e0297137_714229.jpg


日本のアンデルセン 巖谷  小 波_e0297137_721100.jpg

  水口町(当時)教育委員会が2003年に発行したブックレットです。
  タテ21.5センチ ヨコ15.3センチ 23ページ
  小学校中学年ぐらいから楽しめます。
    
  上記資料館で購入できます。
  1冊500円(送料別)
# by m-kyutosyokan | 2012-08-23 21:39 | 巖谷 小波